夏休みが始まる前には、
「今年の夏こそ勉強する」
「毎日○時間やる」
「夏休み中に苦手科目を克服する」
そんな目標を立てていた人も多いと思います。
ところが、気がつけば8月も終盤。
思っていたほど勉強できなかった。
予定していた参考書が終わっていない。
苦手科目もそのまま。
周りはどんどん進んでいるように見える。
そんな状況に焦りを感じている人もいるでしょう。
まず伝えておきたいのは、夏に勉強できなかったことをいつまでも後悔していても、状況は変わらないということです。
一方で、
「まだ大丈夫」
「これから頑張れば何とかなる」
と根拠なく考えることもおすすめしません。
必要なのは、「現在地を正しく確認し、残された時間から逆算して、これからの行動を決めること」です。
今回は、夏休みに思うように勉強できなかった人が、ここから立て直すために確認してほしいことをお話しします。
1.まず「現在地」を確認する
最初にやってほしいのは、今の自分の学力を確認することです。
直近で模試を受けているなら、その結果を確認してください。
模試を受けていない場合は、夏休み前に受けた定期テストや実力テストなど、手元にある一番新しい結果でも構いません。
大切なのは、
「数学が苦手」
「英語がヤバい」
という感覚だけで判断しないことです。
何点取れているのか。
どの単元で失点しているのか。
目標まであとどれくらいなのか。
できるだけ数字で確認してください。
現在地が分からなければ、これから何をどれだけ勉強すればいいのかも決められません。
まずは自分の成績から目をそらさず、一度きちんと確認しましょう。
2.「いつまでに結果を出す必要があるのか」を確認する
次に確認してほしいのが期限です。
ただ「これから頑張る」だけでは不十分です。
「いつまでに、どの程度まで成績を上げたいのか。」
ここを決める必要があります。
高校受験を控えている中学生なら、次の模試や実力テストの日程を確認しましょう。
大学の一般選抜を考えている高校3年生・既卒生なら、秋以降の記述模試、共通テスト模試、大学別模試などが重要なチェックポイントになります。
河合塾の2026年度全統模試でも、第3回の模試は秋に実施され、その後も大学別模試や全統プレ共通テストなどが予定されています。
まず、自分が次に受ける模試や学校のテストの日程を確認してください。
そして、
「次のテストまで、あと何週間あるのか」
を数字にします。
期限が決まって初めて、具体的な計画を立てることができます。
3.そのテストで何を目指すのか決める
期限を確認したら、次は目標値です。
たとえば模試なら、
「A判定を取りたい」
「B判定までは上げたい」
「偏差値を5上げたい」
など、具体的な目標を決めます。
特に大学受験で一般選抜を考えている人には、「秋の模試結果をしっかり見てほしい」と思っています。
僕自身、これまで多くの受験生を指導してきた中で、夏以前の模試と比べて、秋の模試結果は最終的な入試結果に近づいてくるという感覚を持っています。
もちろん、これは僕自身の指導経験から感じていることであり、「夏以前と比較して、秋の模試の予測精度がどの程度高くなるのか」というデータを確認できているわけではありません。
一方で、「秋の模試判定と実際の入試結果に強い関連があることを示すデータ」はあります。
河合塾が2026年7月に公表した資料では、2025年秋に実施された「第3回全統共通テスト模試」「第3回全統記述模試」の総合評価と、その受験生たちの2026年度入試結果を比較しています。
河合塾では、A判定を合格可能性80%以上、B判定を65%、C判定を50%として設定しています。さらに2026年度入試結果を見ると、2025年秋の第3回全統共通テスト模試と第3回全統記述模試の総合評価について、掲載されている大学では実際の合格率もそれぞれの合格可能性とおおむね近い結果となっています。
つまり、秋の模試判定は単なる途中経過として無視できるものではなく、「実際の入試結果とも一定の関連が見られるデータ」だということです。
ただし、秋にC判定だったからといって、
「その大学は受けてはいけない」
という意味ではありません。
C判定から合格する人も当然います。
僕が伝えたいのは、秋になっても目標との差が残っているのであれば、その現実を理解したうえで受験してほしいということです。
受験するなと言いたいわけではありません。
「それでもその大学を目指すのであれば、残された期間でその差を埋める覚悟を持って勉強してほしい。」
僕はそう考えています。
4.その目標は、本当に達成できそうか
目標を決めたら、もう一つ考えてください。
「今から、その目標に届く可能性があるのか」
ということです。
たとえば現在の成績と目標との差が大きく、次の模試まで3週間しかない。
しかも、その3週間で確保できる勉強時間も少ない。
それなのに、
「次は絶対A判定」
と決めても、計画として現実的ではない場合があります。
目標は高ければ高いほどいいわけではありません。
達成する可能性が極端に低い目標を毎回立て、毎回失敗していると、やがて計画そのものを信用しなくなってしまいます。
必要なら、
A判定を目標にしていたところを、まずB判定にする。
偏差値を10上げるのではなく、まず5上げる。
すべての苦手単元を終わらせるのではなく、優先順位の高い単元に絞る。
こうした修正も必要です。
これは諦めることではありません。
「現実を見て、達成可能性のある計画に作り直すことです。」
5.平日・休日に何時間勉強できるか出す
目標が決まったら、実際に使える時間を計算します。
ここでも理想ではなく、現実を見ます。
「これから毎日5時間勉強する」
ではなく、
学校がある平日は何時間使えるのか。
部活動がある日はどうなのか。
休日は何時間使えるのか。
一週間単位で考えてください。
たとえば、
平日2時間×5日=10時間
休日5時間×2日=10時間
なら、一週間で20時間です。
次の模試まで6週間なら、単純計算で約120時間あります。
すると初めて、
「この120時間を、どの教科にどれだけ使うのか」
という具体的な話ができます。
勉強計画で大切なのは、やりたいことを全部並べることではありません。
「限られた時間の中で、何を優先するか決めることです。」
夏に予定通り進まなかったのであれば、なおさら「全部やる」ことにこだわらないでください。
何をやるかと同じくらい、何を後回しにするかを決めることも重要です。
6.「遅れている」という自覚は持つ
ここは少し厳しい話になります。
夏休みに勉強するつもりだったのに、思うようにできなかった。
それなら、予定より遅れている可能性は高いでしょう。
ここを、
「まあ、何とかなる」
で済ませないでください。
遅れているなら、遅れていると認める。
その方が、ここからの行動は変わります。
ただし、自分を責め続ける必要もありません。
大切なのは、
「自分はダメだ」
と思うことではなく、
「予定より遅れている。だから、これからやる量や優先順位を変えなければならない」
と考えることです。
反省は必要です。
しかし、反省だけでは点数は上がりません。
反省したら、次は行動です。
7.できるなら「協力者」を作る
最後に、可能であれば一人だけで立て直そうとしないこともおすすめします。
学校や塾の先生。
家庭教師。
保護者。
一緒に勉強する友人。
誰でも構いません。
特にありがたいのは、
「最近、勉強できていないんじゃない?」
「この目標なら、今週はここまでやらないと間に合わないよ」
と、自分では目をそらしたくなる部分を指摘してくれる人です。
また、一緒に頑張っている仲間がいることで、勉強を続けやすくなる人もいるでしょう。
もちろん、一人で勉強できるなら、無理に誰かを探す必要はありません。
ただ、自分一人では何度も計画が崩れているのであれば、
「自分の意志だけではなく、環境の力を借りる。」
それも立派な立て直し方の一つです。
夏にできなかったことより、ここから何をするか
夏休みに思うように勉強できなかった。
その事実は、もう変えられません。
しかし、
現在地を確認すること。
次のテストの日程を確認すること。
目標を決めること。
使える勉強時間を計算すること。
優先順位を決めること。
これは今からできます。
重要なのは、
「夏にできなかったから、もう遅い」でもなく、
「まだ何とかなるだろう」でもありません。
自分が今どこにいて、次の期限までにどこまで行く必要があるのか。
そして、そのために明日から何をするのか。
そこまで決めて、初めて立て直しが始まります。
過ぎた時間を取り戻すことはできません。
でも、「残された時間の使い方を変えることはできます。」
この夏、思うように勉強できなかった人へ。
夏にできなかったことを悔やみ続けるのではなく、まず今日、現在地と次の期限を確認するところから始めてみてください。
ここからどう過ごすかは、まだ変えることができます。
参考資料
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全統模試におけるA~Eの合格可能性評価基準を参照
確認日:2026年8月20日
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第3回全統模試、大学別模試、全統プレ共通テスト等の実施時期を参照
確認日:2026年8月20日
-
河合塾 Kei-Net Plus「2026年度入試 合格可能性評価別合格率」
2025年第3回全統共通テスト模試・第3回全統記述模試の総合評価と、2026年度入試結果調査による実際の合格率を参照