2学期の模試が持つ意味|学年別に考える秋のチェックポイント

2学期の模試について語るオンライン家庭教師REVIA代表 原田靖也

2学期が始まりました。

夏休みが終わると、学校行事も増え、定期テストもあります。

そして受験生にとっては、模試の意味が一気に重くなってくる時期でもあります。

ただ、

「模試って、今の実力を確認するものでしょ?」

と思っている人もいるかもしれません。

もちろん、それも間違いではありません。

でも僕は、2学期の模試やテストには、学年によってそれぞれ違う意味があると考えています。

大学受験生なら、志望校との距離をかなり現実的に確認する時期。

高校2年生なら、本格的に受験勉強へ入る一つの境目。

高校1年生なら、自分が今どこにいるのかを確認する機会。

高校受験を控える中学3年生なら、志望校を具体的に考えるための重要な材料になります。

今回は、2学期の模試やテストをどう考えてほしいのか、学年別にお話しします。

大学受験生――秋の模試は「まだ途中」で済ませない

まず、高校3年生・既卒生です。

特に一般選抜で難関大学を目指している人には、秋に行われる大学別模試、いわゆる「冠模試」の結果をかなり重く受け止めてほしいと思っています。

2026年度も河合塾では、秋に東大・京大・阪大・神戸大などの大学別入試オープンが設定されています。

また、第3回全統共通テスト模試と第3回全統記述模試では、共通テストと二次試験を組み合わせた総合評価も行われます。

この時期になると、

「英語の偏差値がいくつだった」

だけではなく、志望校に対して自分が今どの位置にいるのかを、かなり具体的に確認できるようになります。

僕自身、これまで受験生を指導してきた感覚として、秋の冠模試の判定は、夏以前の模試よりも最終的な入試結果に近づいてくることが多いと感じています。

ただし、これは僕自身の指導経験からの実感です。

「夏以前の模試より秋の冠模試の方が、何%本番結果に近い」

といった形で、予測精度を直接比較した公開データは現時点では確認できていません。

だから、

「C判定だから無理」
「D判定だから受けてはいけない」

と言いたいわけではありません。

それでも受けたいのであれば、受ければいいと思います。

ただし、秋の時点で志望校との差が残っていることは理解してほしい。

ここからは、

「そのうち伸びるだろう」

ではなく、

「残り期間で何を変えれば届くのか」

を本気で考える時期です。

模試を受けたら、判定を見るだけで終わらせないでください。

どの科目が足りないのか。

どの大問なら取りにいけるのか。

本番までに何点上げる必要があるのか。

そのために、何をやめて、何に時間を使うのか。

そこまで具体的に考えてほしいと思います。

面接・プレゼン対策は9月が最終ライン

総合型選抜や学校推薦型選抜などで、面接やプレゼンテーションが必要な人もいると思います。

こうした対策を、

「普通にしゃべれれば大丈夫だろう」

と甘く考えないでください。

僕は、面接やプレゼン対策を始めるなら、9月が実質的な最終ラインだと考えています。

10月から始めるのでは遅いです。

特に面接は、普段の会話とはかなり違います。

生徒会や委員会などで、自分の意見を発表したり、司会をしたり、人前で話すことに慣れている人ならまだいいでしょう。

でも、自分が取り組んできた研究や仕事、勉強の内容について、相手に分かるように整理して話すことに慣れている高校生は、はっきり言って少数派だと思います。

しかも、面接で話す相手は初対面の人です。

普段なら話せることでも、緊張すると言葉が出てこない。

質問を聞いた瞬間に頭が真っ白になる。

話しているうちに、自分でも何を答えているのか分からなくなる。

こうしたことは十分にあります。

だから、

「聞かれたことに普通に答えれば何とかなる」

という感覚で臨まないでください。

僕の知人に、公務員試験対策や高校生の小論文・面接指導に携わっている先生がいます。

その先生も、

「最初からできる人はほとんどいない」

と話していました。

僕自身も、その感覚にはかなり近いです。

面接で必要なのは、単にしゃべることではありません。

志望理由を言葉にする。

自分の経験を整理する。

質問に対して、相手が何を知りたいのか考えて答える。

決められた時間で話をまとめる。

予想していなかった質問にも対応する。

そして、それを初対面の相手を前にして行う。

これは、練習なしで自然にできるものではありません。

プレゼンも同じです。

資料を作れば終わりではありません。

実際に声に出して説明する。

時間を測る。

質問を受ける。

分かりにくかったところを直す。

その繰り返しが必要です。

2027年度大学入試について、文部科学省は総合型選抜の入学願書受付を2026年9月1日以降、学校推薦型選抜を11月1日以降としています。

総合型選抜であれば、本来は9月より前から準備しておくべきケースもあります。

それでも、まだ始めていないのであれば、9月のうちに始めてください。

10月になってから、

「そろそろ面接対策をしよう」

では遅い。

ここは先送りにしないでほしいと思います。

高校2年生――秋は受験勉強を始める時期

次は高校2年生です。

僕は、高2の秋を大学受験におけるかなり重要な境目だと考えています。

河合塾も2026年度の第3回全統高2模試について、秋までに身につけた力を確認し、弱点の発見や補強につなげる模試と位置付けています。

一般選抜を考えているなら、僕はこの時期には本格的な受験勉強をスタートさせてほしいです。

特に意識してほしいのが、英語と数学です。

僕は、英語については高2の秋で一度「完成」させるくらいの意識を持ってほしいと思っています。

ここでいう完成とは、難関大学の問題が何でも解けるという意味ではありません。

単語、文法、英文解釈、長文読解など、大学受験の英語を進めていくための土台ができていて、

「高3になってから英語を一からやり直す」

という状態ではない、ということです。

数学についても、少なくとも数学ⅠAは基礎がしっかり固まっているのが理想です。

では、なぜここまで早く英語や数学を進めてほしいのか。

特に国公立理系では、高3になると理科の学習割合がかなり大きくなります。

さらに、数学Ⅲ・Cにも多くの時間を使うことになります。

もちろん、中学受験を経験していて、早い段階から高校内容まで先取りしている上位層などは別です。

ただ、多くの高校生を見てきた僕の感覚では、高3になると思っている以上に、英語や数学ⅠA・ⅡBへ時間を割けません。

英語がまだ終わっていない。

数学の基礎も怪しい。

だから、高3でも英数に大量の時間を使う。

すると今度は、理科が間に合わなくなります。

文系なら社会です。

これは、僕が指導の中で何度も見てきました。

受験科目は、一科目だけ仕上げればいいわけではありません。

英語に時間を使えば、その時間は理科には使えません。

数学に時間を使えば、その時間は社会には使えません。

だからこそ、

高3で理科や社会、数学Ⅲ・Cに十分な時間を使える状態を作るために、高2のうちに英語と数学の土台を作っておく。

この発想を持ってほしいと思います。

「まだ高2だから大丈夫」

ではありません。

高2の秋は、大学受験までまだ時間がある時期ではなく、高3で困らないための準備を始める時期です。

志望校も、何となくで構いませんので決めておいてください。

大学名まで決められなければ、

「国公立理系」
「関関同立くらい」
「地元の国公立」

という程度でも構いません。

方向が決まれば、必要になる科目も、その科目に使う時間も変わってきます。

指定校推薦を狙う高校2年生は定期テストへ

一方、指定校推薦を本気で狙っている高校2年生は少し話が違います。

高2の秋まで来れば、それまでの学校成績がすでに積み上がっています。

僕はこのあたりを、指定校推薦を狙う人にとって一度目の大きなチェックポイントだと考えています。

自分が狙っている大学・学部の基準に届きそうなのか。

今までの評定はどうなのか。

校内でどの位置にいるのか。

一度確認してください。

そして、本気で指定校推薦を狙うのであれば、定期テスト前は定期テストに全振りするくらいでいいと僕は思っています。

模試の偏差値を上げること以上に、学校の成績を落とさないことが重要になるからです。

ただし、指定校推薦の評定基準や校内選考の方法は、学校や大学によって違います。

ここは自分の学校で必ず確認してください。

高校1年生――まず自分の立ち位置を知る

高校1年生は、まだ受験勉強を本格化させる段階ではありません。

でも、模試は受けてほしいです。

目的は、

自分が今どのくらいの位置にいるのかを知ること。

河合塾も2026年度第3回全統高1模試を、秋までの学習内容の修得状況を確認し、冬以降の学力向上につなげるものと位置付けています。

学校の定期テストだけでは、基本的には同じ学校の中での自分しか見えません。

模試を受ければ、もっと広い集団の中で自分の位置を確認できます。

英語はどの程度なのか。

数学はどの程度なのか。

得意だと思っている科目は、本当に得意なのか。

苦手科目では、どのくらい差があるのか。

まずそこを確認してください。

そして、高1でも志望校は何となく考えておくことをおすすめします。

まだ変わっても構いません。

目標があるだけでも、

「なぜ今これを勉強するのか」

が少しずつ見えてきます。

高校受験生――地域で受験者の多い模試を複数回受ける

中学3年生については、僕はその地域で受験者数の多い模試を、2学期にできれば3回程度は受けてほしいと思っています。

一度だけでは、その日の出来不出来によって結果が大きく動くことがあります。

複数回受けることで、

「自分はだいたいこの位置にいる」

ということが見えやすくなります。

また、地域の高校受験事情に強い模試を受けることで、志望校の合格可能性だけでなく、私立高校の選び方など、合格に向けた現実的なルートが見えてくることもあります。

だからこそ、模試はただ受けるのではなく、しっかり準備して全力で臨んでください。

特に注意してほしいのが、理科と社会です。

必ず出題範囲を確認してください。

学校の授業進度と、模試の範囲がずれていることがあります。

そのとき、

「まだ学校で習っていないから、できなくても仕方ない」

で終わらせないでほしいです。

範囲に入っているなら、自分で勉強する。

教科書を読む。

問題集を進める。

必要なら先生に質問する。

受験では、学校で習い終わるのを待っているだけでは間に合わないことがあります。

必要なら自分で先に進める。

これも受験勉強の一つです。

中学1・2年生――今は定期テストを大切にする

最後に、中学1・2年生です。

難関私立高校などを早い段階から目指している人を除けば、僕はまず学校の定期テストをしっかり勉強してほしいと思っています。

中学3年生になれば、受験問題の演習や模試、過去問などに使う時間が増えていきます。

そのとき、受験勉強へ振れる時間をできるだけ大きくするためにも、中1・中2のうちに可能な限り評定を上げておく。

これは大切です。

そして、この時期にもう一つ確認してほしいのが、

自分の得意・不得意です。

数学は得意なのか。

英語は苦手なのか。

暗記はできるのか。

文章問題になると点が落ちるのか。

ケアレスミスが多いのか。

こうしたことが早く分かれば、それだけ早く対策できます。

中3になって初めて、

「実は中1の英語からよく分かっていなかった」

と気づくより、今分かっている方が圧倒的に動きやすくなります。

2学期は「今の位置」と「次の行動」を決める時期

模試の結果を見ると、うれしいこともあれば、落ち込むこともあります。

でも、模試の目的は、自分を褒めたり責めたりすることではありません。

現在地を確認して、次の行動を決めることです。

大学受験生なら、本番までに何を変えるのか。

高校2年生なら、高3で必要な科目に時間を使える準備ができているのか。

高校1年生なら、今どの位置にいるのか。

高校受験生なら、志望校までどれくらい距離があるのか。

中学1・2年生なら、今のうちに何を伸ばし、何を直しておくのか。

同じ「模試」でも、学年によって意味は違います。

だからこそ、

受ける。
判定を見る。
終わり。

にはしないでください。

結果が良ければ、その方向で続ける。

結果が悪ければ、何かを変える。

2学期の模試を、次に何をするかを決めるための材料にしてください。

模試には、そのためのヒントがたくさん詰まっています。

参考資料

「秋の冠模試の判定は夏以前より本番結果に近づくことが多い」「面接・プレゼン対策は9月が実質的な最終ライン」「高2秋までに英語・数学の土台を固めておく」「高3では理科・社会・数学Ⅲ・Cに必要な学習時間が大きくなる」といった部分は、筆者の指導経験に基づく見解です。